実例集

【実例|春野のセカンドハウス】山の時間を暮らしに加える、古民家リノベーション
【実例|春野のセカンドハウス】山の時間を暮らしに加える、古民家リノベーション

「春野のセカンドハウス」は、浜松市天竜区春野町の山あいに建つ古民家のリノベーション計画です。
眼下には川が流れ、四季折々の山の景色が広がる、自然豊かな場所。
ご家族が週末や休日を過ごすための「もうひとつの居場所」として、この住まいの計画が始まりました。

この住まいについて

  • 浜松市天竜区春野町の古民家リノベーション
  • 山の景色を楽しむためのセカンドハウス(別荘)
  • 今の暮らしに「自然の中で過ごす時間」を加える住まい

お施主様は、ご夫婦と娘さんたちの4人家族。普段は浜松市中央区で暮らされています。

自然の中で過ごす時間を大切にされており、この場所を初めて訪れたとき、眼下に流れる川の音と、目の前に広がる山の景色に強く惹かれたそうです。 

「子どもたちにも、この場所で過ごす時間をつくってあげたい。」そんな思いから、築28年の古民家を購入し、新しい暮らしの場として整える計画が始まりました。

住まいは、現時点では、今の暮らしを手放して移り住むためのものではありません。

「日常の暮らしを大切にしながら、山で過ごす時間を新たに加える」。そんな、豊かな選択肢のひとつとして生まれた住まいです。 

平成6年(1994年)竣工、
築28年の古民家をリノベーション

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敷地面積:1004.43㎡(約303坪)
1階床面積:77.01㎡(23.25坪)
2階床面積:50.51㎡(15.25坪)
延床面積:127.52㎡(38.50坪)

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設計/えん建築舎
施工/えん建築舎

Before|リノベーション前の住まい

  

 

以前は、玄関から入ると、ホールを介して各室へとつながる昔ながらの間取りでした。部屋ごとに細かく仕切られているため、家族がゆるやかにつながる現代の暮らし方には、窮屈さがあります。


また、周囲の豊かな山の景色は和室から望む形になっており、その魅力を住まい全体に取り込めていないことが勿体なく感じました。加えて、DK内に階段が配置されていたり、玄関ポーチから見える位置に洗面脱衣室があったりと、動線や使い勝手の面でも課題がありました。

 

After|これからの住まい

山の景色を取り込む

この場所の一番の魅力は、目の前に広がる山の風景。

そんな山の景色や木々を、日々の時間のなかで自然に楽しめるよう、リビングやダイニングから大きな掃き出し窓越しに山を望む空間へと再構成しました。 

山と川を望む、二階の特等席。

 

古民家の魅力を活かしながら、心地よく過ごせるように

個室ごとに分かれていた空間をつなげ、家族や友人が集まれる大きなLDKへ。

二階の梁や柱、火打ち梁など、これまでの住まいが積み重ねてきた時間を感じられる部分は、そのままあらわしとして残しています。使えるものを丁寧に活かしながら、古民家の魅力を感じられる空間になっています。

また、冬の寒さが厳しい山間部でも快適に過ごせるよう、窓には内窓を設置。浜松市の窓断熱リフォーム補助金を活用し、温熱環境の改善を図っています。

古いものと新しいもの、それぞれの良さを重ねながら、今の暮らしに心地よく寄り添う住まいへと整えました。 

吹き抜けのまわりは、圧迫感が少なく、階下に光を届けるアイアン手摺を採用。

 

手をかける場所を見極める

外観については、屋根や外壁には大きく手を加えず、既存の姿を活かす計画としました。

その一方で、住まいの第一印象をつくる玄関まわりには、木製ドアや木壁を設け、新しい時間の始まりを感じられるやわらかな表情を加えています。

限られた予算の中で、どこに手をかけるか、どこをそのまま活かすか。お施主様と相談しながら、メリハリをつけて整えていくことも、古民家リノベーションの大切な考え方のひとつだと考えています。 

写真ギャラリー

玄関ドアを開けて、室内を見たところ。もともと右側に設置されていた下駄箱や棚を無くし、圧迫感のない空間へ。

ダイニングとリビング。
もともと和室としてそれぞれ独立していた場所を1ルームにまとめています。

隣家との視線が重ならない高い位置に、窓を新設しました。

お施主様との出会いとこれから

お施主様は、普段は浜松市中央区で暮らされているため、古民家の建つ「天竜・春野」との間で工務店を探されていました。その中で、たまたまえん建築舎のWEBサイトを見つけてくださり、お問い合わせをいただいたことが、このご縁の始まりでした。

初めてお会いしたときから、「自然の中で心を整えながら暮らすこと」「これからの人生を、より自分たちらしく楽しむこと」について、たくさんのお話を伺いました。

その時間は、私たちにとっても新しい価値観に触れる、とても刺激的なものでした。

娘さんへのサプライズという、ご家族らしいあたたかな計画も含めて、「この場所がどんなふうに育っていくのだろう」と、私たち自身も楽しみながら計画を進めていきました。 

先日、久しぶりにお伺いすると、畑や植栽、物置小屋、そして室内のしつらえまで、ご家族らしい素敵な雰囲気に整えられていました。

完成したときにはまだ余白だった場所に、ご家族の時間が重なり、この住まいがゆっくりと育っていることを感じ、嬉しい気持ちになりました。

季節ごとに表情を変える山の景色を眺めながら、何もしない時間を過ごすこと。
鳥の声に耳を傾け、川の音を聞きながら、家族で食事を囲むこと。

自然に包まれながら過ごす、何気ないゆたかな時間が、この場所でこれからも積み重なっていくことを願っています。 

 

 
今ある住まいを、これからの暮らしへ。

住まいを見直す方法は、リノベーションだけではありません。
建て替え、部分的なリフォーム、増築や減築。
あるいは、比較検討した結果、「時期を延ばす」という選択もあるかもしれません。
大切なのは、ご家族にとって何が一番よい選択なのかを考えること。
私たちは、建物の状態やこれからの暮らしを伺いながら、一緒にその答えを探していきたいと思っています。


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