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60代から整える「終の棲家」。小さくも豊かに、身軽に、自由に。
60代から整える「終の棲家」。小さくも豊かに、身軽に、自由に。

人生の最期。
「あたたかな自宅の縁側で、ゆっくりと目を閉じて、そのまま―」というような映画のシーン、あるいは「ピンピン・コロリがいいよね」なんて上司から聞いた言葉が心の中にあり、「歳を重ねても健康的に生き、人生の最期は住み慣れた自宅で」と漠然と(そしてかなり楽観的に)イメージしていました。

 

しかし実際は、日本国民の60%以上の人は「最期まで自宅で暮らす」ことを望んでいるものの、実際にかなうのは15%程度という調査結果があり、思い描くだけでは実現は難しいようです。
※厚生労働省「人生の最終段階における医療の普及・啓発の在り方に関する検討会」での調査より(2017年)

 

 

余生を過ごすのが介護施設や病院となれば、家族への肉体的・精神的負担を減らせることや、万が一の時に安心というメリットを感じますが、金銭面での負担と、生活全般を介護者へお任せすることで自発的な行動が抑制され、老化の進行や認知症発症への影響があるのではとの懸念があります。

 
何より「自分らしい自由な暮らしができなくなる」ということ。施設や病院のスケジュールで日々を過ごし、見守りという監視の下、見知らぬ人と常に生活を共にする日々を積極的に選びたいという方は少ないのではないでしょうか。

 

 

一方で、社会全体としては、少子高齢化を起因とする「介護に携わる人材不足」や「医療体制・年金制度維持の難しさ」などの課題があり、これから、医療や介護の力を借りることが現在よりも困難な時代になると予想されています。

 
この課題に対応するため、政府は、団塊の世代が75歳以上となる2025年を目途に、重度の介護が必要になっても、病院などの施設ではなく、住み慣れた地域で人生の最後まで自分らしい生活ができるよう、住まい・医療・介護・予防・生活支援が一体となって提供される「地域包括ケアシステム」の構築を目指すことを打ち出しました。 

 

自宅に住み続けながら、地域の老人クラブや自治会などの活動を通して、できるだけ元気に過ごせるような暮らしを送り、病院や介護施設の利用を必要最低限に抑えるようなイメージです。

 

 

誰にでも必ずやってくる「老い」。
不自由さが増すことを想像すると暗い気持ちになりそうですが、必ずやってくるものに対して、どのように覚悟し、準備をして、残りの人生をどう生きていくかを前向きに考えていくことは、心配事を減らし、いきいきと暮らすためにとても大切なことだと思っています。

 

「終の棲家」を考え始めるベストなタイミングは、ご家族それぞれで一概には言えませんが、定年を迎え、子育てがひと段落した60代がひとつのタイミングかもしれません。「第二の人生を楽しむ」スタート地点であり、「新しい暮らしを整える」というような前向きな感覚を持ちやすく、心身ともに元気で、変化を楽しめるアクティブなエネルギーを持っている方が多いと感じるからです。

 

私たちは、「人生の最期を自宅で過ごす」と決意された方に、まずは、さまざまな条件や状況を踏まえて、どのような選択肢が良いのか・いつ行うべきか・あるいは行わなくても良いのではなど、ご家族の一員になったような気持ちで、一緒に、真剣に考えたいと思っています。
そして、困りごとを解決したり、設備を整えたりするだけではなく、心身ともに軽やかに、自由に、日々を楽しんでいただけるようご提案していきたいと考えています。

 

 

終の棲家を考える上で、私たちが大切にしたいのは「小さくも豊かに、身軽に、自由に」ということ。

将来的に介護が必要になった時にも自分でできることを増やすための準備(手すりの下地や段差解消など)を行いながら、小さな暮らしを楽しみ、彩りあふれる日々を紡いでいけるような住まいをつくりたいと考えています。

 

具体的には…
・生活に必要な要素を小さくまとめ、生活動線を短く楽に、掃除が行き届きやすいように。
・明るくて風通しがよく、夏涼しく、冬あたたかいこと。
・無駄な廊下は無くし、家中どこでも同じ気温で快適に。
・スロープやウッドデッキなど外とつながりやすくして、いくつになってもアクティブに。
・ご夫婦それぞれが楽しめる居場所をつくって、「一緒に」と「ひとりで」をバランスよく。
・持ち物を見直して、本当に必要なもの・好きなものだけに囲まれた身軽な暮らしを。
など。

 

住まい手の好きなことや好きな時間などをゆっくりお話しして、住まいに反映させていけたらと思っています。

 

 

終の棲家への住み替えは、「終活」の大きな要素。老後安心して暮らせる住まいを元気なうちに整えられたら、心配事が減り、気持ちが軽やかになるのではないでしょうか。

 

好きな時に起き、
好きな時に好きなものを食べて、
会いたい人に会い、
自分らしく生き切るために。
 

子どもが独立し、伴侶が旅立ち、
一人暮らしになっても、
出来る限り、最後まで自宅で。

 

そんな覚悟や決意を、私たちは全力で応援したいと思っています。

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