木の家と暮らしづくり

薪ストーブについて。手間だけど楽しい、暖かい、心地いい。
薪ストーブについて。手間だけど楽しい、暖かい、心地いい。

我が家には薪ストーブがあります。

 

自宅で打ち合わせをしていることもあり、自然と薪ストーブが目に入り、「薪ストーブってどうですか?」と聞いてくださる方が多く、一度は検討項目にあがることが多いです。
最終的に、えん建築舎では、約5割ほどのお客さまが薪ストーブを設置されています。

 

私自身が薪ストーブに魅力を感じながら暮らしているので、特に子育て世代の方には、子供と過ごす時間に、火を扱うことや、薪の調達、準備というアクティビティを加えてほしくて、お勧めすることが多いです。(住宅密集地や周辺環境によっては、お勧めしない場合もあります)

 

 

薪ストーブの魅力は、心地よい暖かさ、ゆらめく炎や木のはぜる音などから感じる癒し、子供への自然教育、煮込み料理や湯沸かしへの利用、森林・雑木林の適正管理(除伐・間伐)による環境保全、エアコン使用減少による環境負荷低減などが挙げられると思います。ほとんど火が出ていない状態の炉内に放り込むだけで出来上がる「焼き芋」は、大人も子供も大好き。簡単でおいしい、ありがたいおやつです。

 

我が家では、冬の寒空の下では乾き切らなかった洗濯物を、最後の仕上げ乾燥として日々利用していて、これもうれしい恩恵だと感じています。

 

「面倒になりませんか?私たちにもできますか?」という質問を受けることがあります。薪ストーブを使うのは初めて、という方がほとんどですから、そう思われるのは当然だと思います。質問への回答ですが、正直、向いている人には向いているし、そうでない人にはお勧めしない…と、当たり前のようですが、どう感じるかは人による、というところになります。

 

 

薪ストーブは、日々室内へ薪を運び、焚き付け用の木を割り、ストーブ内にそれらを設置して、マッチで火をつけて…たまに失敗してやり直して…など、スイッチひとつで運転開始する暖房器具と比べて、圧倒的に作業工数が多いです。年に1回~数回の薪調達もひと仕事です。(子供たちが成長して、早く薪運びの戦力になってくれないかなと心から期待しています)

 

そのように手間のかかるものではありますが、私自身は不思議と苦にならず、むしろ、暮らしに必要な「暖」を自分で用意している感覚が心地よく、日々のリフレッシュ時間のように感じているほどです。薪ストーブを使うことのない季節は何か物足りなく、寒い季節を待ち遠しく感じています。

 

我が家では、12月~3月くらいまでの期間、本格稼働します。
11月・4月にも寒い日に焚くことがあります。

 

冬の1日の中では、朝一番にまず焚きます。一度焚けば、朝を過ごす時間はあたたかく過ごせます。日中家にいるときは、昼間にも火をつけます。そして夕方太陽が沈むと急に冷え込んでくるので、ふたたび火を焚いて、就寝時間まで薪を入れ続けます。

 

 

間取りにもよりますが、我が家の場合、1階LDKにある薪ストーブを焚いていると、温まった空気が階段を通じて2階にも上がり、家全体があたたまり、どの部屋にいても「寒い」と感じることがありません。

お客様の住まいの場合でも、なるべく家全体が温まるようにということと、暮らす方がふだん過ごす場所から炎が見えるように(視覚的にも、暖かさを直に感じるという意味でも「見える」ということが大切です)ということを意識しながら設計しています。

 

夜の暖かさは翌朝にも残っていて、冬の朝はもちろん冷えますが「寒すぎる」と震えることはほとんどありません。
この「家のどこにいても暖かい」というのは、とても幸せなことだと、寒い時期、常々感じています。特にお風呂上りや、着替える時、朝布団から出る時。実家にいたころは、寒さにふるえながら急いで服を着ていた記憶があります。

 

「大嫌いだった冬が好きになりました」
薪ストーブを設置されたお客様から頂いたうれしい言葉です。

 

ご興味のある方は、ぜひ、薪ストーブについてご検討ください。
寒い時期、我が家へ来ていただくと、薪ストーブの暖かさを体感していただけます。

 

 

余談ですが、冬の薪棚には、たくさんの生物が眠っています。カエル、かたつむり、とかげ、その他、名前が分からない虫たちいろいろ。寒くなって存在を感じなくなった昆虫たちはこんな身近なところで休んでいるんだなと知りました。(昆虫や虫が苦手な方はご注意ください!)

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